春の夕方の夢

可除環Rの全行列環Mが単純であるというお話.
簡単のために二次正方行列にして示す.
(a,b;c,d)がイデアルに含まれるならば,
(1,1;1,1)を両側から掛けた行列もそのイデアルに含まれるので、
α(1,1;1,1)∈J(全行列環のイデアル)
α=a+b+c+dとなる.

イデアルの性質から
(α+β)(1,1;1,1)∈J
任意のr∈Rに対して
(rα)(1,1;1,1)∈J
となるので、
係数α,βはRのイデアルを作る.
しかしRは自明なイデアルしかもたない。
αが(0)に含まれている場合は
J=(0)となり、
αが(1)に含まれている場合は
(1,1;1,1)(1,0;0,0)=(1,1;0,0)
(0,0;0,1)(1,1;1,1)=(0,0;1,1)
がJに含まれていることに注意すると,
Jが(1,0;0,1)を含むことが分る.
よって言えた.